
月夜見宮
Tsukiyomi-no-miya Shrine
月夜見宮の予備知識
月夜見宮は伊勢神宮の別宮です。同じ読み方の別宮がもう一社存在しますが、こちらは外宮の別宮で、「つきよみさん」の愛称で呼ばれます。
月夜見宮の所在地
月夜見宮の祭神
ツキヨミは(月夜見尊)はアマテラス・スサノオと並ぶ三貴神の一柱です。月神であり、なおかつ農業神でもあります。
主祭神 | ツキヨミ(月夜見尊) Tsukiyomi-no-Mikoto |
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ツキヨミの荒御魂(月夜見尊荒御魂) Tsukiyomi-no-Aramitama |
伊勢七社相互リンク
月夜見宮を主観的に格付け
由緒
平安時代(927)時点で存在していたことは文献により確実視されています。
社格
知名度
別宮の存在自体、一般的には知られていないでしょう。
アクセス
- JR/近鉄『伊勢市』駅→徒歩10分
スケール
観光
パワー
月夜見宮域外
神路通
外宮の北門を出て『神路通』を200mほど歩いた場所にあります。神路通はツキヨミ(月読命)が外宮との間を行き来するのに通る道とされています。


月夜見宮外周
外周を堀と石垣に囲まれているため、パッと見はお城のように見えなくもないです。外宮が大きすぎるせいで影に隠れがちですが、普通の地方都市であればそこそこメジャーな扱いを受けていたでしょう。なお、鳥居は神路通側の1箇所しかありません。


月夜見宮域内
主祭神のツキヨミ(月夜見尊)を祀る月夜見宮のほか、摂社の高河原神社があります。域内の面積はおそらく別宮社地の中で最も小さいかと思います。
大楠
鳥居をくぐると、右手に大きな楠があります。

月夜見宮
鳥居から見て正面に月夜見宮の社殿があります。別宮でも式年遷宮がおこなわれるので、隣に古殿地が確保されています。
なお、太平洋戦争中(1945)の宇治山田空襲では、周辺の住宅地が全焼する中、宮司や軍隊による懸命の消火活動によって社殿だけ消失を免れたそうです。
社名・社格 | 月夜見宮 Tsukiyomi-no-miya | 外宮の別宮式内小社 |
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祭神 | ツキヨミ(月夜見尊) | |
ツキヨミの荒魂(月夜見尊荒御魂) |

高河原神社
高河原神社は月夜見宮の右手奥にあります。祭神はツキヨミの御魂(みたま)ですが、平安時代の文献では稲荷神社の祭神であるウカノミタマ(稲魂)と記されているそうです。また、同文献では月夜見宮の名称も「高河原社」と記されているそうです。
渡来民族の神である稲荷神を日本神話の神であるツキヨミで上書きしようとした政治的意図が見え隠れしませんか?
社名・社格 | 高河原神社 Takagawara-jinja | 外宮の摂社式内小社 |
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祭神 | ツキヨミの御魂(月夜見尊御魂) |
稲荷社
また、稲荷社は稲荷社で別に存在します。月夜見宮の左手、楠の根元に鎮座しています。


月夜見宮の主祭神に関する考察
ツキヨミの出番が無い問題
ツキヨミというよりツクヨミと表記するほうが一般的です。アマテラスやスサノオと並んで三貴神と呼ばれるのですが、アマテラスやスサノオは主役級でブイブイ言わせまくってるのに対して、ツキヨミは全く出番がありません
一般的な説
その理由についてYouTube等でも度々ネタにされています。
・アマテラスとスサノオの対立構図を和らげるための緩衝材的な位置付けなので敢えて自己主張しないキャラ設定にされた
・夜の世界=闇の世界=死後の世界を司る神なので仏様と被ってしまうため仏教勢力への忖度で活躍シーンをカットされた
あたりが主な説として挙げられています。
自説
僭越ながら自説を述べるとすれば、ストーリーに拡張性を持たせるために敢えて出番を与えずに温存しておいたのだと思います(既出だったらスイマセン)
敢えて出番を与えずに明確なキャラ設定をしないほうが、もし後世に外国から物凄く影響力の強い宗教が伝来したとき、
てな具合に上手く融和し、取り込んでしまうことができます。そういうことを見越した上で、あえて出番を与えず、キャラやエピソードを後付けできるようにしておいたのだと思います。
何れにせよ、出番が少ないからこそ神秘性が増すというか、より探究心を掻き立てる魅力的な神様と言えるでしょう。
月夜見宮の御朱印

おまけ
神路通りにあったラーメン屋さんの看板がやたら美味しそうなので(かなりこってり系っぽいけど)気になりました。
次回参拝した時は寄ってみよっと!
