荘内神社・鶴ヶ岡城趾

荘内神社・鶴ヶ岡城趾

荘内神社・鶴ヶ岡城趾
しょうないじんじゃ・つるがおかじょうあと
Shōnai-jinja Shrine & The ruins of Tsurugaoka castle
城下町鶴岡のシンボル

荘内神社の予備知識

荘内神社は山形県鶴岡市の市街地、鶴ヶ岡城の跡地に鎮座する神社です。庄内藩歴代藩主を祭神として祀っています。

荘内神社の所在地

山形県鶴岡市馬場町4-1
鶴岡公園(鶴ヶ岡城址公園)内
Tsuruoka Park (The ruins of Tsurugaoka castle)
4-1 Baba-chō, Tsuruoka city, Yamagata Pref.

荘内神社の祭神

庄内藩Shōnai-han(荘内藩)の藩主、つまり鶴ヶ岡城のお殿様と、その先祖を主祭神として祀っています。

主祭神
酒井忠次
Sakai-Tadatsugu(1527-1596)
酒井家初代当主、徳川四天王の一人
酒井家次
Sakai-Ietsugu(1564-1618)
酒井家2代目当主
酒井忠勝
Sakai-Tadakatsu(1594-1647)
酒井家3代目当主、庄内藩初代藩主、庄内米の流通に貢献
酒井忠徳
Sakai-Tadaari(1755-1812)
酒井家9代目当主、庄内藩7代目藩主、藩の財政再建や教育に貢献

荘内神社を主観的に独断で格付け

由緒

★★☆☆☆
明治十年(1877)創建

廃藩置県(1871)よりも後に、市民によって旧藩主を偲んで建立されました。

社格

★☆☆☆☆

近代創建なので、社格は与えられていないようです。

知名度

★★☆☆☆

一発変換できますが、全国的にはほぼ無名でしょう。でも、鶴岡市民にとってはシンボル的存在だと思います。

アクセス

★★★☆☆
  • JR『鶴岡』駅からバス10分前後
    →『鶴岡市役所』バス停すぐ

市役所の向かいなので、アクセスの心配はありません。

スケール

★★☆☆☆

神社自体はそれほど広くありませんし、鶴岡公園も県庁所在地の城址公園と比べると若干小振りです。

観光

★★★☆☆

鶴岡公園(鶴ヶ岡城址公園)は桜の名所として有名です。中世の建造物はあまり残っていませんが、その代わり大寶館Taihō-kanのような近代建造物が目を引きます。また、公園の隣接地には致道Chidō博物館もあります。

パワー

★★★☆☆
商売繁盛五穀豊穣

産業育成に貢献した歴代藩主のご利益が得られるでしょう。

荘内神社・鶴ヶ岡城趾の周辺地域

鶴岡市の地政学

米の名産地

鶴岡つるおか市は庄内しょうない平野の南半分を占める都市です。庄内平野は米の名産地として有名です。バイアスかもしれませんが、ここで食べるお米は本当に美味しいです。

帰属意識は『庄内』

現地の人との会話でわかったのですが、ここの人たちの帰属意識は「山形やまがた」ではなく「庄内しょうない」なんですね。確かに、山形盆地と庄内平野で、地理的に分断されていますからね。

北は鳥海山ちょうかいざん、南は出羽三山でわさんざんという天然の要害に囲まれ、しかも日本海交易ルートの拠点であり、なおかつ最上川もがみがわの水運に育まれた穀倉地帯です。昔から豊かな地域であったことは想像に難くありません。

鶴岡と酒田はライバル?

同じ庄内平野の北部に酒田さかた市という、よく似た規模の都市があるため、鶴岡市とはライバル扱いされることが多いようです。しかし両都市は昔から同じ庄内藩しょうないはんの領地であり、鶴岡は城下町、酒田は商業の町、という性格の違いがあるため、ライバルというよりは相互補完的な関係にあるようです。

羽前と羽後

現在の秋田県から山形県にかけては、もともと出羽でわ国という、一つの大きな国でした。

明治元年(1868)に羽前うぜん羽後うごに分割されるのですが、その線引きが変なのです。同じ庄内平野の南北で、南が羽前、北が羽後となっています。つまり、鶴岡が羽前、酒田が羽後となったわけです。その理由は定かではありませんが、戊辰戦争(1868-1869)において庄内藩が新政府に敵対した為だろうと推測されます。

最終的には鶴岡も酒田も山形県という枠に収まり、庄内平野を切り離した羽後国が秋田県となり、現在まで続いています。

日枝神社(下山王)

さて、蘊蓄垂れるのはこのへんにして、鶴岡駅から荘内神社こと、鶴ヶ岡城址公園へと向かいます。

鶴岡市民にとっては、荘内神社以上に日枝神社が馴染みの深い神社です…ということをタクシーの運転手さんに教えてもらいました。ついでだからと、ここにも立ち寄ってくださったわけです。感謝。

社名・社格
日枝神社
Hie-jinja
旧県社
主祭神
ヤマスエノオオヌシ(山末之大主神)
オオヤマクイ(大山咋神)と同一神
オオナムチ(大己貴命)
オオクニヌシ(大国主神)と同一神
イチキシマヒメ(市杵島姫命)
宗像三女神の一柱

山王さん

日吉大社の記事で詳しく掘り下げようと思いますが、日枝神社は全国にたくさんあって、もともと比叡山を信仰する神社だったため「山王さんのうさん」と呼ばれるわけです。ここ鶴岡市の日枝神社は出羽三山を信仰するものだと思われます。現に、山の神様を主祭神筆頭としています。

大黒様像

拝殿の隣に大黒様の像がありますが、こちらは令和三年(2021)に建造されたものだそうです。大黒様は主祭神の一柱であるオオクニヌシ(大国主)と習合しており、商売の神様として地元の商店街から崇められています。

芭蕉句碑

境内には松尾芭蕉の句碑があります。

“めずらしや 山をいで羽の 初茄子はつなすび

有難い、羽黒山から出てみれば、初ナスビでおもてなしいただけるとは

民田茄子みんでんなすはこの地域の特産品です。日枝神社の境内と、ここから100m弱歩いたところにある長山邸跡にも、同じ句の句碑があります。

日枝神社(上山王)

日枝神社は下山王しもさんのう上山王かみさんのうがあり、上山王は駅から見て荘内神社よりも遠い場所にあります。さすがに今回は行きませんでしたが、羽黒山神社に行く際には立ち寄ってみたいものです。

荘内神社・鶴岡公園(鶴ヶ岡城址公園)

さて、鶴ケ岡城址公園こと鶴岡公園に到着しました。荘内神社はこの公園の中にあります。

実はもともと、荘内神社ではなく出羽三山神社へ行くつもりだったのが、前日のトラブルと天候の関係で急遽変更となったわけです。でも、親切な運転手さんに出会えて良かったです。

表参道

神社の表参道は公園の東側、鶴岡市役所側にあります。

一ノ鳥居

一ノ鳥居から拝殿まで、まっすぐに表参道が続いています。

ニノ鳥居・三ノ鳥居

そのまま拝殿まで、ニノ鳥居、三ノ鳥居が連続しています。ニノ鳥居の右下、旗ポールの土台に花の模様が描かれていますが、これは庄内藩主である酒井家の家紋です。

拝殿・本殿

ここにかつて、鶴ヶ岡城の本丸がありました。

鶴岡公園(鶴ヶ岡城址公園)

荘内神社の境内と、鶴ケ岡城址こと鶴岡公園は、ほぼ一体化しています。都市部にありながら、こんなに綺麗で落ち着いた雰囲気の公園があるのは羨ましいです。公園から南の方角を望めば、修験道しゅげんどうの聖地として名高い金峯山きんぽうざん(471m)が見えます。

鶴岡護国神社

鶴岡公園内の一角に、鶴岡護国神社つるおかごこくじんじゃがあります。庄内藩11代目藩主である酒井忠篤さかいただずみ(1853-1915)によって、鶴ヶ岡城の金蔵趾に建造されました。

御城稲荷神社

公園内に、さらにもう一つの神社があります。御城稲荷神社おしろいなりじんじゃです。その名の通り、ここが鶴ヶ岡城だった頃から残存している唯一の建造物です。庄内藩4代目藩主である酒井忠真さかいただざね(1671-1731)によって建造されました。

大寶館

公園内でひときわ目を引く大きな建物が『大寶館たいほうかん』です。大正四年(1915)に建てられた洋風建築です。

鶴ヶ岡城が築城されるよりも以前にこの場所あった大宝寺城たいほうじじょうが名前の由来です。大宝寺城は中世において武藤むとう家の居城でした。その後、上杉うえすぎ家、最上もがみ家と主人を変える中で鶴ヶ岡城に改称した後、酒井家のものとなりました。

致道博物館

鶴岡公園から道路を挟んで西隣に、有名な『致道博物館ちどうはくぶつかん』があります。

はい、例のごとくスルーしてしまいました(^_^;)

必ずまた庄内へ行きますんで!

御朱印

すごく豪華で美しい御朱印です。鶴岡公園のイメージにぴったりです。

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