
日光二荒山神社
Nikkō Futarasan-jinja Shrine
日光二荒山神社の予備知識
日光二荒山神社は栃木県日光市、東照宮の近くに鎮座する下野国一宮です。男体山と女峰山、それに太郎山を御神体としています。
日光二荒山神社の所在地
本社が東照宮の近辺に鎮座しているほか、中禅寺湖の畔に中宮祠、男体山の山頂に奥宮がそれぞれ鎮座しています。
本社
中宮祠
奥宮
日光二荒山神社の呼称
神社の正式名称は『二荒山神社』ですが、宇都宮にも同名神社があり明示的に区別する為、頭に「日光」を付けることが多いです。なお、当記事では単に「二荒山神社」と表記した場合、日光二荒山神社の本社を指します。
日光二荒山神社の祭神
主祭神 | 御神体 | |
---|---|---|
二荒山大神 Futarayama-no-Ōkami | オオナムチ(大己貴命) | 男体山 |
タゴリヒメ(田心姫命) | 女峰山 | |
アヂスキタカヒコネ(味耜高彦根命) | 太郎山 |
主祭神3柱は日光三山こと男体山(2,486m)、女峰山(2,464m)、そして太郎山(2,368m)にそれぞれ紐付いています。いずれも火山なので、「二荒山」とは上記のうちの2つ(おそらく男体山と女峰山)を指しているように思えます。
オオナムチ(大己貴命)はオオクニヌシ(大国主命)の又の名で、宗像三女神の1柱であるタゴリヒメ(田心姫命)とは夫婦関係にあたります。その子神にあたるのが農業神とされるアヂスキタカヒコネ(味耜高彦根命)です。
日光二荒山神社を主観的に格付け
由緒
神護景曇という珍しい4文字の元号です。奈良時代後期、中国の唐に倣って4文字元号を採用した時期がありました。創建年は宇佐八幡宮神託事件(769)の2年前ですね。朝廷が仏教勢力や八幡神勢力との間で気を揉んでいた頃です。
社格
平安時代からかなり高い社格を有しています。
知名度
東照宮が有名すぎて影に隠れてしまっている感は否めません。しかし、東照宮と並び『日光の社寺』の一要素としてユネスコ世界文化遺産に登録されています。
アクセス
- JR/東武鉄道『日光』駅→バス乗車約15分→『大猷院二荒山神社前』バス停すぐ
- 駐車場あり(有料)
電車でのアクセスの場合、起点が宇都宮であればJR、東京からであれば東武鉄道の特急列車が便利です。駅から二荒山神社前までのバスは頻繁に出ているので、待ちぼうけの心配はありません。
スケール
二荒山神社の境内だけを見れば一般的な一宮神社のスケールですが、東照宮を含めたエリア一帯で見ればかなり広いです。それに中宮祠という別宮的な存在もあるので、それを含めればかなり広いと言えます。
観光
二荒山神社単体ではそこまで観光地でもないですが、日光自体が超メジャー観光地です。
パワー
日光二荒山神社の周辺地域
1時間と表示されているのは二荒山神社と中宮祠の往復所要時間です。
日光市の地政学
日光市は栃木県北西の山間部(山裾というべきか)に位置し、福島県や群馬県との県境を有しています。言わずと知れた有名観光地ですね。
地名の由来
二荒山の「二荒」を音読みすると「ニコウ」になるので、それに「日光」の漢字を当てたものだというのが定説となっています。
平成の合併
現在の日光市は、平成十八年(2006)に旧・日光市と周辺市町村が合併してできたものです。合併した市町村にしてみれば、『日光』の知名度とブランドにうまく便乗できたと言えそうです。ちなみに、合併によって鬼怒川温泉も日光市の一部となりました。
表日光と奥日光
合併前から日光市だった地域は市街地を含む「表日光」と、県境寄りの山岳地帯である「奥日光」に分けることができます。二荒山神社の本社は表日光に、中宮祠と奥宮は奥日光にそれぞれ鎮座しています。
二荒山神社(表日光)
山内エリア
二荒山神社は表日光の中でも市街地に近い『山内』と呼ばれるエリアに鎮座しています。西の『高野山』と同様、「山」は仏教の聖地を意味する言葉で、この辺りはかつて『日光山』と呼ばれていました。
とはいえ、寺社仏閣だけでなく洒落たカフェやレストランもあります。


東照宮
東照宮がすぐ近くにあるということを行ってみて初めて知りました。もちろん、東照宮にも参拝しました!
輪王寺
日光山輪王寺は東照宮の南に鎮座する天台宗の仏教寺院です。明治時代の神仏分離令(1868)以前は東照宮や二荒山神社もひっくるめて『日光山』と呼ばれていました。


輪王寺大猷院
大猷院は日光二荒山神社の西側に鎮座する、徳川家光(1604-1651)の廟所です。いちおう、輪王寺の一部という扱いです。



二荒山神社境内
大鳥居〜神門
大猷院よりも手前に二荒山神社の大鳥居があります。そのすぐ先に神門があります。


拝殿・良い縁うさぎ
大きな拝殿の前には金色のウサギ像があります。やはり主祭神がオオクニヌシ(大国主命)だからでしょうね。


本殿
拝殿の奥に本殿があるのは一般的な神社と同じですが、本殿側にも参拝所があります。
化灯篭
その手前には『化灯篭』と呼ばれる銅製の灯篭があります。鎌倉時代に奉納されたもので、火を灯すと様々なものに化けたので警護の武士が何度も刀で切りつけたところ、化けなくなったそうです。

摂末社群
以下の摂社・末社は国の重要文化財であり、かつ世界遺産『日光の社寺』の一要素として登録されています。
日枝神社
日枝神社は山の神様であるオオヤマクイ(大山咋命)を祀っています。
神輿社
神輿社には弥生祭で使われる神輿が収められています。
大国殿
大国殿はオオナムチ(大己貴命)を祀る神殿です。『太郎丸』という宝刀が展示されています。
朋友神社
朋友神社はオオクニヌシ(大国主命)すなわちオオナムチ(大己貴命)の親友であり宰相でもあるスクナビコナ(少彦名命)を祀っています。ちなみに、中国語で友達のことを「朋友」と言います。


社務所前


まあ、社務所は新しい建物なんでしょうけど、周囲に調和した色調です。
中宮祠(奥日光)
いろは坂
山内エリアから奥日光の中禅寺湖エリアへは車で30分程度かかります。直線距離はそれほど遠くありませんが、途中『いろは坂』という急カーブが連続する坂道があります。上りと下りで別々の道になっています。急カーブが合計48箇所あることから、48文字に因んで「いろは坂」と呼ばれるようになりました。
この「いろは坂」を表日光と奥日光の境目とするのが一般的です。
中宮祠地区
中宮祠の周辺には中禅寺湖や男体山があります。この辺りは町名も中宮祠です。
華厳滝
華厳滝は那智滝と並び国内トップクラスの知名度を誇る瀑布(滝)です。しかし、訪れた時期が悪うござんしたようです。
水量が少なくて残念(>_<)
訪問するなら雨上がりの日がベストでしょうね。


男体山
華厳滝の駐車場からは男体山がよく見渡せます。他でもない、二荒山神社の御神体ですね。おそらく、オオナムチ(大己貴命)と習合したのは日本神話の成立以降のことでしょう。山岳信仰自体は有史以前から存在していたに違いありません。

中宮祠境内
さて、華厳滝を見終わったし、中禅寺湖と中宮祠を見て行こうと車のハンドルを握った矢先…
ああ…なんて方向音痴なんだか(苦笑)スケジュール押し気味だったので、中宮祠はまたの機会となりました。再訪した際に記事を更新しますので!
日光二荒山神社の御朱印
