
出雲大社
いずもおおやしろ(いずもたいしゃ)
Izumo-Ōyashiro <Izumo-Taisha> Grand Shrine
出雲大社の予備知識
出雲大社は言わずと知れた超有名神社です。この場所で巨大な神殿の跡が発見されており、強大な王国の勢力拠点だったと考えられています。
出雲大社の所在地
出雲大社に対する呼称
本名は意外と無名?
実は「いずもたいしゃ」というのは通称であって、正式な呼称は「いずもおおやしろ」であることは意外と知られていません。
きづきのおおやしろ
また、『出雲大社』という名前自体も明治時代に改称されたものです。それ以前は『杵築宮』または『杵築大社』と呼ばれていました。
出雲大社の祭神
主祭神 | オオクニヌシ(大国主神) Ōkuninushi-no-Kami |
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日本神話の主役クラス
オオクニヌシ(大国主)は日本神話、ことに出雲神話の重要なパートにおいて登場する、主役級の神様です。
同じく主役級であるスサノオ(素戔嗚尊)の子孫だったり、娘婿だったりもします。
オオクニヌシの別名
オオクニヌシ(大国主)には多くの別名があります。これは、他の多くの神様と習合しているからです。
代表的なのはオオナムチ(大穴持命)という名前です。一般的には、オオクニヌシがまだ人間だった頃の呼称として扱われることが多いです。
縁結びのイケメン神様
出雲大社は一般的には縁結びのご利益がある神社として有名です。オオクニヌシがモテモテのイケメンだからです。
実在の人物だった?
神話の中では一人の人間的な神様として描かれています。もし、実話に基づいた神話だとすれば、実在の人物をモチーフにした神様だと言えるでしょう。
しかし、その場合「オオクニヌシ」は一個人の人名ではないでしょう。おそらく、「国王」や「君主」のような意味の称号だったのではないでしょうか?
出雲大社を主観的に格付け
由緒
社格
全国神社ランキングみたいなYoutube動画をご覧になられた方は多いでしょう。伊勢神宮と出雲大社が不動の1位と2位ではないでしょうか。出雲大社はまさに銀メダリストのイメージです。
燻し銀的で渋カッコいい!!
知名度
伊勢神宮と並ぶ超有名神社ですね。
アクセス
- 一畑電鉄出雲大社前駅→徒歩10分
- JR出雲市駅→一畑バス25分
のんびりと宍道湖を眺めながら観光したい場合は一畑電鉄がオススメです。駅が参道に面しているので便利です。
もちろん、超有名神社なので大型駐車場も整備されています。ただ、個人的には西側駐車場の構造に不満ありです。また、先述の通り『出雲大社』の正式な読み方は「いずもたいしゃ」ではなく「いずもおおやしろ」です。
私のカーナビは後者で入力しないと出てこなかった
スケール
再訪して隅々まで歩いてみると、やはりスケールも別格だなと感じました。
観光
予備知識が無いと、大きな神社だなぁくらいにしか感じないかもしれません。電車でアクセスして参道を歩いた方が、より観光地気分を味わえます。
パワー
縁結び祈願の定番ですが、パワースポットと表現するのは少し違うかもしれません。
出雲大社の周辺地域
稲佐の浜
国譲り神話の舞台である『稲佐の浜』は出雲大社の1km西にあります。駐車場もあるので安心してください。


神門通り
一畑電鉄の『出雲大社前』駅が、表参道である『神門通り』に面しています。ここから5分ほど歩けばニノ鳥居で、その先が境内です。




出雲大社境内
松の参道
駅から徒歩の場合、まず三の鳥居を潜って境内に入り、松の参道を歩きます。広くて綺麗な参道です。ニノ鳥居の近くまで来ると、右手に『ムスビの御神像』、左手に『御慈悲の御神像』を見ることができます。


ムスビの御神像
オオクニヌシが幸魂・奇魂から力を授けられるシーンを描いています。詳しくは後述の「国造り神話」にて説明します。大神神社の頁も参照してください。

御慈悲の御神像
有名な日本神話『因幡の白兎』でオオクニヌシが兎を助けるシーンを描いています。詳しくは白兎神社の頁を参照してください。

銅の鳥居
四ノ鳥居は銅製の鳥居です。この先が拝殿です。

本殿周辺
拝殿
さて、拝殿で礼拝しましょう。お作法ですが、普通の神社では二拍手なのに対し、出雲大社では四拍手を奨励しています。特に深い意味があるわけではないそうです。私が知る限り、四拍手は出雲大社と宇佐神宮、それに弥彦神社です。

本殿
他の有名神社と同様、本殿の周りは塀で囲われていて、一般の参拝客は立ち入ることができません。さらに、本殿の周りをいくつかの社殿が取り囲んでいます。



ウサギ像・素鵞社
本殿のちょうど背面あたり、ウサギ像の近くに『素鵞社』があります。オオクニヌシの義父であるスサノオ(素戔嗚尊)を祀っています。オオクニヌシを見守っているのか監視しているのかわかりませんが、威厳を感じます。


神楽殿
本殿まわりをぐるりと一周したら、いったん銅の鳥居を出て、神楽殿へ行きましょう。ここの〆縄は長さが13m、重さが5.2tもあります。その巨大さはもちろん、一般的な神社の〆縄と逆向き(左方が上位)であることで有名です。


出雲大社と日本神話
さて、出雲大社と直接関係しそうな神話の話をしましょう。
先述の通り、主祭神オオクニヌシは『古事記』や『日本書紀』を始め、多くの神話に登場する主役級の神様です。もし実在したとすれば、この地域を支配していた歴代国王の称号だと考えれば色々と辻褄が合います。
国造り神話
オオクニヌシが日本海の海岸を歩いていると、海から『幸魂』と『奇魂』が現れました。そして、彼にすごい知識や技術を授けたそうです。
製鉄技術とか帝王学あたりだろうか?
力を授けられたオオクニヌシはその名の通りこの地域の支配者となり、『ムスビの神様』と呼ばたそうです。
おそらく、これも歴史的な出来事の暗示だと考えることができます。おそらく、日本海を渡って来た渡来人が、この地域に大陸の知識や技術をもたらしたのではないでしょうか?
国譲り神話
国造り神話と並ぶ、もう一つの重要な神話が国譲り神話です。「譲る」という、やんわりした表現が用いられていますが…
要するに征服というか併合というか
アマテラス(天照大神)はタケミカヅチ(武甕雷)を遣わして、オオクニヌシ(大国主)に対して降伏を迫ったのです。オオクニヌシは降伏する条件として、この地に立派な宮殿を作ってくれと懇願して、それが受け入れられました。その宮殿こそが、ここ出雲大社なのです。
ちなみに、創建当初の出雲大社は現在よりも遥かに巨大だったそうです。なお、その柱の跡が2000年(平成12年)頃に境内にて発見されています。
もしこの神話が歴史的事実に基づくものであるならば、アマテラスを信仰する民族の国が、オオクニヌシが治める国(出雲王国?)を征服したことになります。神話のように平和的に解決したかどうかは分かりません。しかし、少なくともこの地域では、大規模な武力衝突の痕跡は見つかっていないそうです。
出雲大社の御朱印

そりゃあ超有名神社なので、わざわざ御朱印に気合い入れる必要なんて無いのでしょうけど…
なんか却って清々しい