貫前神社

貫前神社

貫前神社 / ぬきさきじんじゃ
Nukisaki-jinja Shrine

ゆかりは古し、上って下りる一之宮

貫前神社の予備知識

貫前神社の正式名は一之宮貫前神社で、文字通り上野国一宮です。参道が全国でも珍しい、下り参道になっています。

所在地群馬県富岡市一ノ宮(Ichinomiya, Tomioka city)
創建年5-6世紀安閑天皇(The 27th Emperor Ankan)の時代とされる
主祭神フツヌシ(経津主神)オオクニヌシ(大国主)の出雲を制圧した武神
ヒメオオカミ(比売大神)養蚕の神という説あり
社格★★★式内社(名神大社) / 旧国幣中社 / 別表神社 / 上野国一宮
知名度★★
アクセス★★★・上信電鉄『上州一ノ宮』駅→徒歩15分程度
観光★★富岡製糸場のついでに寄るのがオススメ
スケール★★★
パワー★★★★

正式社名は『一之宮貫前神社』

ここでは『貫前神社』と表記しますが、正式社名は一之宮貫前神社いちのみやぬきさきじんじゃです。埼玉の氷川神社のように同名他社が多いのかと思いきや、特にそういう理由ではなさそうです。

抜鉾神と貫前神

もともとは抜鉾ぬきほこ神社』という社名だったものが、明治時代に『貫前神社』に改称されました。

ヌキホコ(抜鉾神)とヌキサキ(貫前神)はもともと別の神で、前者は現祭神のフツヌシ(経津主神)と同一神で、後者は渡来系民族の神だと云われます。

その一方で、やはり同一神だという説も存在しています。いずれにせよ、祭神の習合や神社の改称は、その時代の政治的背景が絡んでいるものです。

上毛かるた

上毛じょうもうかるた』は昭和22年(1947)に発行された、群馬県の名所や偉人を題材にしたカルタです。貫前神社は「」で始まります。

“ゆかりは古し 貫前神社”

貫前神社の周辺地域

貫前神社が鎮座する群馬県富岡市は、同県最大都市である高崎市から10km程度西南に位置する小都市です。

上信電鉄(高崎〜上州富岡)

群馬県最大の街、高崎駅前の広々として洗練された街並み。古くて狭い街並みが多い近畿圏の人間から見ると、素直に羨ましかったりします。

ちなみに、ヤマダ電機は同県前橋市が発祥です。前橋と高崎って、何かと張り合ってるイメージがありますよね?

ここ高崎から、上信電鉄じょうしんでんてつに乗って富岡方面を目指すわけですが…

運賃の高さにビックリ! でも駅員さんが親切でほっこり。

富岡製糸場

富岡製糸場へは、上信電鉄の上州富岡じょうしゅうとみおか駅から徒歩10分強です。

富岡製糸場は明治時代(1872)に創建された、日本初の機械式製糸工場です。また、平成26年(2014)に国内の近代建造物としては初めて、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。

上信電鉄(上州富岡〜上州一ノ宮)

富岡製糸場から貫前神社からは直線距離にして2.5km程度、駅にして3駅分です。とはいえ、電車は昼間毎時1本か2本なので、タクシーを使うのが良いと思います。

蛇宮神社

駅から少し遠くて恐縮ですが、貫前神社と富岡製糸場の中間地点付近に蛇宮神社じゃぐうじんじゃという神社があります。創建年は不詳で、養蚕業の害獣である鼠を退治することから、蛇神である高龗神たかおかみのかみを主祭神としています。

光明院

光明院こうみょういんは上州一ノ宮駅前に鎮座する天台宗の寺院です。明治時代に、自由民権運動の舞台となりました。

貫前神社境外

さて、貫前神社の鳥居前に到着しました。

写真ではわかりにくいのですが、幹線道路から見て、かなり高い場所にあります。途中まで急峻な坂道になっていて、そこからさらに石段を登ります。

ここの鳥居付近からの眺望が絶景です。

貫前神社境内

総門

由緒書きの「主祭神 経津主神」の文字を見た瞬間に

ああ藤原トリオの一人か・・やっぱ関東やな

と感じてしまいます。きっと、神社や日本神話に対する知識が中級レベルに達した証拠でしょう(笑)

勅使門

総門の右手、東隣に位置する開かずの門ですが、催事のときのみ開かれるそうです。

樹齢千年のスダジイ

総門を潜って左手の西門近くにスダジイの木があります。樹齢1,000年とも言われ、富岡市の天然記念物に指定されています。

境内参道

総門を潜った先は下りの石段です。 全国でも珍しい、下りの参道です。つまり、境外では上り参道、境内では下り参道となっているわけです。

伊勢内宮・外宮

石段を少し下りて左手あたりに伊勢内宮・外宮や他の末社がいくつか並んでいます。一宮神社らしい光景です。

社名伊勢内宮・外宮貫前神社の境内末社
祭神アマテラス(天照大神)伊勢内宮の祭神
トヨウケ姫(豊受大神)伊勢外宮の祭神

月読神社

石段をもう少し降りると、右手に末社の月読神社があります。末社としてアマテラス(天照大神)、トヨウケ姫(豊受大神)とツクヨミ(月読命)の3柱が境内に仲良く?祀られているのは、あまり見ない光景です。

社名月読神社貫前神社の境内末社
祭神ツキヨミ(月読尊)アマテラスの弟、スサノオの兄
明治時代まで付近にあった神社の祭神16柱

楼門・拝殿・本殿

楼門を潜った先に拝殿と本殿が鎮座しています。これらの建造物は江戸時代前期(1635)に徳川家光によって建造されたもので、国の重要文化財に指定されています。

藤太杉

本殿の裏手に大きな杉の木が何本かありますが、その中の1本(右写真の右から2本目)が藤太杉とうたすぎです。藤原秀郷ふじわらのひでさと(891-958?)が平将門たいらのまさかど(903-940)を征討する際、戦勝祈願としてここに植樹したと伝えられています。

日枝神社

本殿の東に鎮座する末社の日枝神社は江戸時代以前の旧本殿と云われています。

社名日枝神社(Hie-jinja)貫前神社の境内末社
祭神オオヤマツミ(大山祇神)山の神であり、かつサクヤ姫の父神
明治時代まで付近にあった神社の祭神16柱

宝物館

西門付近に宝物館があります。あいにく休館日でしたが、祭祀で用いられる神具や、甲冑などの武具が展示されているそうです。

貫前神社の御朱印

直筆かつハイクオリティ、かっこいい!

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