
岩木山神社
Iwakiyama-jinja Shrine
岩木山神社の予備知識
岩木山神社は津軽国一宮です。文字通り、日本百名山の一つである岩木山を御神体としています。坂上田村麻呂にも所縁があります。
岩木山神社の所在地
岩木山神社の祭神
主祭神 | 岩木山大神 Iwakiyama-Ōkami | ウツシクニタマ(顕国魂神) |
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タキツヒメ(多岐都比売命 / 湍津姫命) | ||
ウカノメ(宇賀能売神) | ||
オオヤマツミ(大山祇神) | ||
坂上苅田麿 Sakanoue-no-Karitamaro(728-786) |
ウツシクニタマ(顕国魂神)はオオクニヌシ(大国主神)と同一神とされています。坂上苅田麿は坂上田村麻呂の父親です。
岩木山神社を主観的に格付け
由緒
後でもう少しだけ深掘りします。
社格
知名度
連休中だったからかもしれませんが、遠方の車ナンバーを多く見かけました。
アクセス
- 弘前市中心部より車で20分強
スケール
境内も広いですが、岩木山の雄大な景色がよりスケール感を高めてくれます。
観光
神社単体でも楽しめますが、近くに百沢温泉もあります。
パワー
由緒について深掘り
起源は山岳信仰
もともと社殿は岩木山(Iwaki-san, 1,625m)の山頂にあり、公式な創建年は奈良時代末期(780)となっています。ただし、岩木山に対する山岳信仰自体は太古の昔から存在していたと思われます。
坂上田村麻呂によるテコ入れ
坂上田村麻呂(Sakanoue-no-Tamuramaro, 758-811)は大和朝廷(と表現して良いのだろうか?)の大将軍です。桓武天皇の命令によって、当時まだ朝廷の勢力下でなかったこの地域を平定しました(797)。平定の暁に岩木山神社をテコ入れし、山頂の社殿を再建したり、山裾にも新しい社殿を建造しました。
祭神が日本神話の神と習合したのも、おそらくこの時でしょう。
神仏習合の時代
そして、白川法皇の時代(1091)、山裾の社殿が現在の場所へ遷座しました。この頃は神仏習合が盛んだったので、遷座後の名称は百沢寺でした。
神仏習合の背景として政治的要因も挙げられます。当時、天皇の座を退位して仏門入りした人が『法皇』として政権を掌握していました。
神仏分離令
明治時代の神仏分離令(1873)により、岩木山神社となりました。
岩木山神社の周辺地域
弘前市は青森県の西部、一般に『津軽地方』と呼ばれる地域の中枢都市です。青森県には県庁所在地クラスの都市が3つもあります。
岩木山神社は弘前市の中心から少し離れた、岩木山の麓にあります。
弘前城
弘前市の中心部に位置する弘前城はこの街のシンボルです。GW頃なら遅咲きの八重桜がまだまだ見頃です。また、天守閣近くの展望台から眺望する岩木山は絶景で、富士山と見紛いそうです。実際、『奥富士』とか『津軽富士』とも呼ばれているようです。



岩木山
弘前城から西へ車を20分ほど走らせれば、岩木山の東南の麓にある岩木山神社に到着します。
先述の通り、奥宮が岩木山の山頂にあるのですが、山頂までは、津軽岩木スカイラインを通るのがオススメです。すごい形の道路なので、地図で確認してみてください。
スカイラインの入り口までは、岩木山神社からさらに西へ車を走らせないといけません。だいたい、10分程度です。また、スカイラインで登れるのは8合目までで、入り口から8合目までは20分程度です。
オススメしといて言うのも何ですが、私は今回、時間が無くて行けませんでした…
岩木山神社境内
一之鳥居
一の鳥居から岩木山山頂へ向かって、二の鳥居、三の鳥居、楼門、拝殿、本殿と一直線に並んでいるのが壮観です。

二之鳥居
参道は上り坂で、二の鳥居の先に三の鳥居と楼門が控えています。

三之鳥居
三の鳥居の色や形から、何となく仏教的なニュアンスが漂います。

楼門
仏教色全開の楼門。江戸時代(1628)、藩主である津軽家によって、百沢寺の山門として建造されました。
こういう色の神社は京阪神近辺では見たことがありません。そういえば、日光東照宮に似てるから『奥日光』とも呼ばれているそうです。

中門・拝殿
中門と拝殿も、江戸時代(1640)に津軽家によって建造されました。なお、拝殿は百沢寺の本堂でした。
余談ですが、私の前にいた中南米系?の外国人グループの人たちが、丁寧に参拝している姿に感動してしまいました。信仰の自由とは別に、日本の伝統文化や価値観を大切にしてくれる外国人は大歓迎です。

奥宮登拝道
楼門の左手(帰り道なら右手)に、岩木山山頂の奥宮へ行くための登拝道がありますが、片道4時間以上かかるそうです。時間と体力に余裕がなければ、先述のスカイラインで8合目&頂上までリフトがオススメです。
五本杉&奥富士出雲神社
二の鳥居と三の鳥居の間らへん、右手に五本杉、左手に奥富士出雲神社(帰り道なら逆)があります。


五本杉
五本杉は、幹が5本に別れている珍しい杉です。察しの良い方なら気付いてらっしゃるかもしれませんが、5本の幹は岩木山神社の祭神5柱を象徴しています。
五本杉にちなんで神社の祭神を5柱としたのか、それとも5柱に因んで五本杉をここに植樹したのか? いずれにせよ、ルーツの全く異なる5柱の神々が結束しているようで微笑ましいものです。
奥富士出雲神社
先述の通り、奥富士は岩木山の別名です。出雲神社の名の通り、出雲大社の祭神であるオオクニヌシ(大国主)を祀っています。明治時代の神仏分離令の際、百沢寺の住職により建立されました。
社名 | 奥富士出雲神社 Okufuji-Izumo-jinja | |
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祭神 | オオクニヌシ(大国主) | 岩木山神社の立場では、ウツシクニタマ(顕国魂神)と同義 |
岩木山神社の御朱印
