
伊弉諾神宮
Izanagi-Jingū Shrine
伊弉諾神宮に関する予備知識
伊弉諾神宮は神話の解釈によれば、日本で最初にできた島にある、日本で最初の神社です。社格は全国でもトップクラスです。
伊弉諾神宮の所在地
伊弉諾神宮の祭神
主祭神 | イザナギ(伊弉諾尊) Izanagi-no-kami |
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イザナミ(伊弉冉尊) Izanami-no-mikoto |
日本列島を生んだ夫婦神です。他にもアマテラスやスサノオを始め、日本神話の重要な神様はほぼ全て、この夫婦から生まれたことになっています。
伊弉諾神宮を主観的に格付け
由緒
★★★★★
創建年:神代
『古事記』『日本書紀』によれば、イザナギが淡路島を作った後、この地に居を構えたとされます。
社格
知名度
アクセス
- 神戸淡路鳴門自動車道『津名一宮』ICより10分弱、駐車場あり
スケール
観光
パワー
伊弉諾神宮の由緒を深掘り
国生み神話
日本神話によれば、伊弉諾神宮の主祭神である両柱が日本列島を産んだことになっています。
最初に出来たのがここ、淡路島です。続いて四国、隠岐の島、九州、壱岐、対馬、佐渡島、そして本州という順番です。
イザナギ終生の地
『古事記』『日本書紀』によれば、国生みを終えたイザナギ(伊弉諾尊)は淡路の多賀に宮殿を構えたことになっています。まさにここ、多賀地区のことでしょう。また、宮殿は『幽宮』の名で記されています。
淡地と淡海
しかし、『古事記』の写本Ver.によっては『淡路』ではなく『淡海』と記されています。そして、その比定地は滋賀県の多賀大社です。
淡海は琵琶湖のことで、滋賀県の旧国名、近江の由来でもあります。一方、淡路は淡地が由来との説があります。
しかし淡路島と琵琶湖は形も大きさもそっくりで、名前まで対になっているのがすごいですね。
伊弉諾神宮の周辺地域
たこせんべいの里
津名一宮ICからすぐのところに、蛸煎餅の製造工場兼直売所である『たこせんべいの里』があります。お土産に最適なので、ぜひ寄って行きましょう。
くにうみライン
県道88号線は『くにうみライン』の愛称で呼ばれます。津名一宮ICから伊弉諾神宮までの約3kmの区間には、伊弉諾神宮の石灯篭が設置されています。そのおかげで、伊弉諾神宮の参道という雰囲気を醸し出してくれています。

水仙の丘
伊弉諾神宮から見て道路を挟んで反対側の丘に『水仙の丘』とうラッパスイセンの菜園があります。開花時期の3月中旬から4月にかけて入園可能(大人1人300円)です。
多賀の浜海水浴場
県道88号線を伊弉諾神宮よりも先に車で進めば、5分程度で瀬戸内海(播磨灘)沿岸の『多賀の浜』海水浴場に行けます。
伊弉諾神宮境内
さて、駐車場に車を停めたら、表参道の鳥居から境内に入りましょう。
一の鳥居
一宮神社に恥じない立派な鳥居です。淡路島にもこんな大きな神社があるのかと驚く人も多いのではないでしょうか。 なお、この鳥居は阪神淡路大震災(1995)で倒壊し、同年内に再建されたものです。


陽の道しるべ
二の鳥居を潜って左手に『陽の道しるべ』というモニュメントがあります。伊弉諾神宮が全国の有名神社を結んだ線の交点上にあることをアピールしています。
淡路島は日本列島の中央に位置し、日本の標準子午線(135°E)も通ります。なので、こうして俯瞰して見ると、もし淡路島が首都になっても不思議ではない気がします。あのシンガポールだって面積で言えば淡路島くらいの島ですから。

放生の神池
『放生の神池』は堀の遺構から造成された池です。おそらく『幽宮』の掘だと思われます。二の鳥居を潜った先にあります。赤い橋と亀の噴水が風流ですね。


伊弉諾神宮神門
神池の橋を渡ると、神門があります。明治時代(1883)に再建された正門です。他の神宮と同様、菊花紋が飾られています。


拝殿
神門を潜って正面の拝殿で礼拝しましょう。拝殿は明治時代(1882)に再建されたものです。この奥に本殿があります。

昭和天皇手植えの楠
境内には、第124代昭和天皇をはじめ皇族の方々が大正時代(1922)に植樹した楠があります。
伊勢神宮遥拝所
伊勢神宮の遥拝所が拝殿の右手にあります。伊勢神宮はここから真東の方角に鎮座しています。
夫婦大楠・岩楠神社
伊勢神宮遥拝所に向かって左手、樹齢900年の夫婦大楠があり、その根元には岩楠神社もあります。夫婦円満・安産祈願のために参拝する人を多く見かけます。

頭髪感謝碑
ところで、伊弉諾神宮の秋期大祭の開催日は10月20日で、頭髪感謝祭も行われます。なぜなら、10月20日を「トウハツ」と読めることからです。某毛髪クリニックが奉賛しており、石碑が奉納されています。
場違い感も否めませんが、一宮神社とはいえスポンサー抜きではやっていけないのでしょう。
ちなみに、髪の毛の「髪」は「上」もしくは「神」が由来といわれています。
神馬像と左右神社
神馬像の奥にひっそりと佇むのが摂社の『左右神社』です。祭神はアマテラス(天照大神)とツクヨミ(月読尊)です。
本殿
拝殿の奥にある本殿を横から覗き込むことができます。また、本殿の裏手には摂社・末社が何社かあります

レイライン
陽の道しるべ
さて、先述の『陽の道しるべ』について、実際に地図上で線を結んで検証してみました。
正直、微妙です。夏至や冬至の日の出・日の入は厳密にこの方角ではありません。特に冬至の日の出に関して言えば、那智大社よりは本宮大社、あるいは花窟神社あたりが妥当ではないでしょうか。
ただ、伊勢神宮と海神神社は誤差の範囲でほぼ同緯度、出石神社もまあ、同経度と言えなくもなさそうです。
畿内五芒星
これは本当によくできていると思います。古代人は現代人よりも天体を綿密に観測していたでしょう。なので、ポイントtoポイントで方角や距離を正確に測定することは出来たはずです。重要な何かを建造する際、他の重要建造物からの方角や距離によって場所を決めていたのではないでしょうか。
伊奘諾神宮の御朱印
最古級かつ最高格クラスの神社らしく、安定のクオリティです。
