粟鹿神社

粟鹿神社

粟鹿神社 / あわがじんじゃ
Awaga-jinja Shrine
天空城の麓にある癒しスポット

粟鹿神社の予備知識

粟鹿神社は2社ある但馬国一宮のうちの1社です。天孫系と出雲系、それに土着の神々を祭神として祀っています。

粟鹿神社の所在地

兵庫県朝来市山東町粟鹿2152
2152 Awaga, Santō-chō, Asago city, Hyōgo pref.

粟鹿神社の祭神

主祭神は3柱ですが、お互いにあまり相関性が無いので、なんだか迷走している印象を受けます。

主祭神
アメノミサリ(天美佐利命)
ヒコイマス王(日子坐王命 / 彦坐王命)
ヒコホホデミ(日子穂穂手見尊)
配祀神アワナギ(阿波奈岐尊)ほか7柱

出雲の末裔

アメノミサリ(天美佐利命)は粟鹿神社の社伝にのみ登場する神です。オオクニヌシ(大国主神)の子とされているので、出雲王権と関係があると思われますが、詳しいことはよくわかりません。

皇族将軍

ヒコイマス王(日子坐王命)は第10代崇神天皇の弟で、実在したとすれば3-4世紀頃の人です。『古事記』や『日本書紀』で、本人あるいはその息子が丹波たんば国(当時の丹波は但馬たじまも含む)制圧のために派遣されたと記されています。

皇祖神

ヒコホホデミ(=山幸彦)は第1代神武天皇の祖父に当たる神様ですが、唐突な印象を受けます。天美佐利派と日子坐派で論争が起き、収拾させるために皇祖神である山幸彦を無理やりねじ込んだのではないでしょうか?

土着神

配祀神のアワナギですは、この辺りの元々の地名が「粟」(アワ)だったと仮定すれば、この地域の土着神だと推測できます。「ナギ」は「安定させる」の意味なので、「アワナギ」=「粟を統治する」の意味になるからです。だとすれば、粟鹿神社の「鹿」については、助詞の「が」に「鹿」の漢字を当てたのかもしれません。鹿が粟を献上した故事が由来だそうですが、私個人的には後付け臭を感じています。

粟鹿神社を主観的に格付け

由緒

★★★★★
創建年:不詳

粟鹿神社の社伝によれば、第11代垂仁天皇の時代に、荒ぶる神であるアメノミサリ(天美佐利命)を鎮めるために創建されたようです。

社格

★★★☆☆
式内社(名神大社) / 但馬国一宮(二宮とする説も) / 旧県社

近代以降は格下げされている感があります。

知名度

★★☆☆☆

一宮という肩書きがなければ、ローカル止まりです。

アクセス

★★★☆☆
・北近畿豊岡自動車道『山東さんとう』IC→すぐ

あくまで車でアクセスする場合の前提ですが、高速道路のIC降りてすぐという交通至便な立地です。

スケール

★★☆☆☆

一宮神社としては小ぶりです。近くの高速道路建設時に、粟鹿神社に関係すると思われる遺跡群が発掘されているので、大昔はもっと広かったのかもしれません。

観光

★★☆☆☆

観光地的な要素を求めないほうが良いです。天空城として名高い竹田城跡へ車で15分程度なので、ついでに立ち寄ることをオススメします。

パワー

★★★★☆
家内安全、五穀豊穣ほか

一宮神社にしては人が多くないので、のんびりできます。季節の花々も鑑賞できますし、天気の良い日は癒し効果抜群です。

粟鹿神社の周辺地域

朝来市の地政学

北部の南部

朝来市は兵庫県北部、但馬地方の最南端に位置します。県南部の播磨地方や、京都府中丹地方との交通の結節点でもあります。

低い分水嶺

朝来市内には、日本海へ流れる川(円山川)と瀬戸内海へ流れる川(加古川)の分水嶺があります。日本海と瀬戸内海の分水嶺は中国地方から関西地方にかけて数多く存在しますが、その中で最も標高が低いと言われています。

古代の物流ルート

分水嶺が低いということは、川の流れが穏やかで、陸の勾配も緩やかだということです。水上交通が物流の主役だった古代において、日本海側から瀬戸内海側へ物資を運搬するには、円山川-加古川ルートが最適だったに違いありません。

粟鹿山

粟鹿山あわがやま(962m)は朝来市と丹波市の境にある山で、粟鹿神社から見て南の方角にあります。別名「国見山」と呼ばれていただけあって、但馬の大部分を見渡すことができます。古代から但馬各地の豪族がこの場所に集い、国造りについて語らい合っていたことでしょう。

竹田城跡

竹田城跡は同じ朝来市内にあり、粟鹿神社から車で15分程度の距離です。インターネットの普及に伴い「天空の城」として全国的に知られるようになった場所ですね。雲海が見られなくても、普通に絶景です。

粟鹿神社境内

参道

鳥居をくぐれば、すぐに勅使門と随神門が見えます。

勅使門

手前が勅使門で、市の重要文化財に指定されており、普段は通ることができません。

随神門

奥にある随神門を通って、本殿へと向かいます。随神門の左右には木製の狛犬が置かれてあり、江戸時代(17世紀)の意匠と推定されています。

はい、スルーしてしまいました。

いえ、見た覚えはあるんですけど、そんなにレアなものだとは思わなかったので…

本殿・拝殿

本殿も拝殿も小ぶりながら、周囲の景観に溶け込んだ綺麗な建物です。

拝殿に向かって左手、口を開けているほうの狛犬(獅子)をよく見てください。足元に子供を抱えていますね。普通は口を開けているほうが右手ですし、そもそもなぜ子連れなのでしょうか? いずれにせよ、ユニークですね。

夫婦杉・御神木

夫婦めおと杉は一宮神社の定番と言えます。本殿のすぐ近くにあります。

また、いったん鳥居を出て、反時計回りに50mほど歩いたところに粟鹿神社の御神木がありますので、ついでに見ておいてください。

粟鹿神社の御朱印

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