幣立神社(幣立神宮)

幣立神社(幣立神宮)

幣立神社(幣立神宮)
へいたてじんじゃ(へいたてじんぐう)
Heitate-jinja <Heitate-jingū> Shrine
九州のへそにある最古の社

幣立神社の予備知識

幣立神社(幣立神宮)は熊本県と宮崎県の県境付近に鎮座する神社です。1万5千年の歴史を有すると言われ、近年、にわかに注目を集めています。

幣立神社の所在地

熊本県上益城郡山都町大野712
712 Ōno, Yamato town, Kami-Mashiki district, Kumamoto Pref.

幣立神社の祭神

主祭神
天神地祇てんじんちぎ
カムロギ(神漏岐命)
男性神の総称
カムロミ(神漏美命)
女性神の総称

カムロギ、カムロミというのは特定の神様のことではなく、色んな神様の総称です。要するに『八百万やおよろずの神』に近いニュアンスです。

幣立神社の社名由来

社伝によれば、神武天皇の孫であるタケイワタツ(健磐龍命)がこの地に幣帛へいはくを立てたことに由来するそうです。なお、タケイワタツは肥後国(現在の熊本県)一宮である阿蘇神社の主祭神です。

また、『日の宮』と呼ばれることもあるようです。これに関しては私個人の憶測ですが、九州、特に阿蘇山を擁する熊本県がかつて「火の国」と呼ばれていたため、「火の宮」が「日の宮」に転じたものだと考えています。

幣立神社を主観的に格付け

由緒

★★★★
創建年:不詳

最も古い神社という説がありますが、こういうのは自称した者勝ち的な側面があります。いや、自称したというよりネット上の噂が一人歩きしたのかもしれません。

平安時代中期(10世紀)に阿蘇神社の宮司がこの地に伊勢神宮の神、すなわちアマテラス(天照大神)を祀るべく社殿を建立し『幣立社』と名付けた、という記録があります。なので、神社としての創建はその頃だと考えるのが妥当かもしれません。

社格

★☆☆☆☆
旧郷社

一般的に『幣立神宮』と呼ばれますが、いわゆる『神宮24社』のカテゴリには含まれません。

知名度

★★☆☆☆

近年では最古の神社、最強のパワースポットとしてYoutube動画で頻繁に取り上げられています。しかし一般的な知名度はまだまだ低いかと思います。

アクセス

★★☆☆☆

「九州のへそ」と呼ばれる地域に鎮座していますが、逆に言えば、どこからも結構遠い辺鄙な場所です。ただ、幹線国道に面していますし駐車場もありますので、その点は安心です。

スケール

★★★☆☆

境内の面積だけでいえば、そこいらの神社と変わりません。ただし、高低差が激しいです。

観光

★☆☆☆☆

間違っても、観光的要素を期待してはいけません。

パワー

★★★★★
良縁、出世、金運など

程よく不気味さもあって、パワースポット感満点です。

あえて「感」を付けたのは、私自身がそういうのに鈍いからです(苦笑)

幣立神社の周辺地域

山都町の地政学

山都=ヤマト?

名前からして、ヤマト王権や邪馬台国との関連性を匂わせてくれます。しかし、この名前は平成十七年(2005)の3町村合併時に公募によって付けられたものです。なので、直接の関係は無いと思っておいたほうが良さそうです。

九州のへそ

九州(沖縄県と離島部を除く)のほぼ中央に位置するすることから、「九州のへそ」と呼ばれます。

交通の要衝

辺鄙な場所とディスってしまいましたが、古来より九州の東西を結ぶ街道が通っていました。特に幣立神宮の近辺は阿蘇山や高千穂からも近く、交通の要衝であったと思われます。

中央構造線

パワースポットとしての幣立神宮を語る上で外せないのが、中央構造線の存在です。厳密にいえば中央構造線の延長である臼杵八代構造線がこの付近の地下を通っていると推定されています。専門家ではないので詳しい言及は避けますが、構造線とは地殻変動によって生じた巨大な断層だと覚えておいて差し支えないです。

構造線上には高野山や伊勢神宮、諏訪大社に鹿島神宮と、有名な寺社仏閣・パワースポットが数多く存在します。磁場の影響だとか諸説ありますが、実際のところ因果関係は不明です。

幣立神社境内

参道

幹線道路を挟んで駐車場と反対側に鳥居が立っています。ここが参道の入口であることがすぐにわかります。

車のスピードが出やすい区間なので、道路を横断する際はくれぐれも気をつけてください。

鳥居

それにしても、新しくて綺麗な鳥居です。知名度向上に伴う参拝者増加の恩恵でしょうか。

幣立の森

参道の石段を登りきる手前あたりで、脇道に入ることができます。ここは『幣立の森』と呼ばれるパワースポットです。ご覧の通り、巨木が生い茂っていて圧巻です。なんだかファンタジー系の映画やゲームに登場しそうな景観ですよね?

本殿周辺

本殿・拝殿

石段を登り切ってニノ鳥居をくぐれば、すぐ正面に本殿・拝殿があります。社殿の建物自体は比較的新しい印象を受けます。

天神木

本殿の右手に、檜の御神木である『天神木』があります。樹齢一万五千年と言われていますが、同じ切り株に何度も植樹されたものだそうです。現世代の木は樹齢二千年で10代目くらいとされています。数字の根拠は兎も角として、太古の昔からこの地に佇んでいたであろうことは確かです。

東御手洗周辺

東御手洗・東水神宮

本殿西側の鳥居から丸太階段を降りていくと、『東御手洗みたらい』という池があります。池のほとりの『東水神宮』(読み方は「とうすいじんぐう」?)には、池に住まうとされる八大龍王が祀られています。

しかし、私はそれよりも隣の水田が気になりました。東御手洗の水を引いた神田だそうですが、もしかすると江戸時代の隠田おんでん(つまり年貢を免れるためにこっそり耕作した田んぼ)じゃないかと思ってしまいました。もしそうだとすれば、それはそれで歴史的価値があるものだと思うのですが、どうでしょう?

あと、珍しい種類のトンボも観察できて、そういう意味でもオススメのエリアです。

聖徳堂

丸太階段の途中で道が分岐していて、『聖徳堂』と書かれた方面に進むことができますが、そちら方面へ進む参拝客はあまり多くありません。聖徳堂は小さなお堂ですが、建造物自体は比較的新しいです。聖徳太子と原爆犠牲者を祀っているそうですが… あえてノーコメントにしておきます(^^;)

幣立神社の御朱印

朱印そのもののデザインは伊勢神宮などを意識しているように思われます。

高天原たかまがはら』は神話に登場する地名で、アマテラス(天照大神)などの神々が住まう地です。仮に実在したとして、それが何処なのかは諸説ありますが、九州の真ん中あたりという説が多いです。

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