氷川神社

氷川神社

氷川神社 / ひかわじんじゃ
Hikawa-jinja Shrine
武蔵に出雲あり!

氷川神社の予備知識

氷川神社は埼玉県さいたま市大宮区に鎮座する武蔵一之宮です。スサノオ、クシナダ姫、オオナムチといった出雲系の神々が祀られています。

氷川神社の基礎データ

所在地埼玉県さいたま市大宮区高鼻町(Takahana-chō, Ōmiya-ku, Saitama city)
創建年紀元前5-6世紀?孝昭天皇(The 5th Emperor Kōshō)の時代とされる
主祭神スサノオ(須佐之男命, Susanoo-no-Mikoto)アマテラス(天照大神)の弟だが、天界を追放された後、出雲国でヤマタノオロチ(八岐大蛇)を退治した
クシナダ姫(奇稲田姫命, Kushinada-Hime-no-Mikoto)出雲国のお姫様だが、ヤマタノオロチの生贄にされそうなところスサノオに救われ、彼の妻となった
オオナムチ(大己貴命, Ōnamuchi-no-Mikoto)スサノオ&クシナダ姫の子孫、オオクニヌシ(大国主神)の別名とされる
社格★★★★★式内社(名神大社) / 旧官幣大社 / 別表神社 / 勅祭社 / 武蔵国一宮(異説あり) / 氷川神社総本山
知名度★★
アクセス★★★★・JR大宮駅→徒歩20分(参道まで10分)
観光★★
スケール★★★★周囲の大宮公園と一体化して広く感じる
パワー★★★★縁結び等のご利益があるとされる

氷川神社の主祭神

スサノオ、クシナダ姫、オオナムチという、あからさまに出雲系な面々です。理由は諸説ありますが、古代出雲王国の末裔がこの地域を開拓したことは確かだそうです。

氷川神社の社名由来

諸説ありますが、この地に移り住んだ出雲族が荒川あらかわを故郷の斐伊川ひいがわに見立ててそう呼んだ、という説が最もらしく聞こえます。

関東地方、特に荒川沿いの地域に「氷川」と名のつく神社は数多く存在します。ここで紹介する『氷川神社』はその総本社です。なので、他の氷川神社と区別するために『一宮氷川神社』あるいは『大宮氷川神社』と呼ばれることもあります。

武蔵国の一宮

武蔵むさし国は、現在の行政区画でいえば東京都と埼玉県の全域と、神奈川県の一部です。日本の人口の1/5が集中する地域です。現代ほど一極集中ではないにせよ、古代から人口が多く、力のある地域だったことは間違いないでしょう。

氷川神社はそんな大国の一宮なのですが、実は三宮神社という説もあります。とはいえ、全国屈指レベルの、格の高い神社であることに違いはありません。

氷川神社の周辺地域

氷川神社があるのは埼玉県さいたま市大宮区、つまり旧大宮市です。そもそも『大宮』という地名自体が氷川神社のことを指しています。それにしても…

大宮市って結構かっこいい市名なのに(T ^ T)

浦和県大宮市にできなかったものなのか?

JR大宮駅

埼玉県最大のターミナル駅であり、新幹線の駅もあるJR大宮駅(Ōmiya Sta.)には、全国のご当地グルメを味わえるレトロな食堂街があります。もちろん、駅周辺も相応に賑やかです。

さいたま新都心

これはオマケですが、大宮駅より一駅南、さいたま新都心駅周辺には、いかにも作りました感の高層ビル街があります。個人的にはこういう人工的な街並みがけっこう好きです。

ただ、名前が(以下略)

氷川神社境外

氷川神社の参道は約2kmとけっこう長いです。参道入口から歩きたいなら、上記『さいたま新都心』駅で下車するが最寄りです。

氷川神社境内

長い参道を歩いて、三の鳥居をくぐれば氷川神社の境内です。そこからさらに100mほど歩いて楼門をくぐれば、正面に舞殿、その奥に拝殿・本殿があります。

拝殿・本殿

拝殿の奥に本殿があり、先述の通り、スサノオ、クシナダ姫、オオナムチの3柱が祀られています。なお、オオクニヌシ(大国主)ことオオナムチは、『古事記』ではスサノオの6代目子孫、『日本書紀』ではスサノオの息子と記されています。

門客人神社

拝殿の右手に、『門客人神社』という摂社があります。祭神はイナダ姫の両親ですが、客人神(まろうどがみ / まれびとがみ)として、アラハバキ神も祀られています。

社名門客人神社(Monkyakujin Shrine)氷川神社の境内摂社
祭神アシナヅチ(足摩乳命)イナダ姫の父
テナヅチ(手摩乳命)イナダ姫の母
客人神アラハバキ神(荒脛巾)古代に東北や関東一帯で信仰されていた神

蛇の池

拝殿・本殿の左手奥に『蛇の池』というパワースポットがあるので、ぜひ足を運んでみてください。蛇といえばあまり聞こえが良く無いですが、水龍のことです。かつてはここに湧水があったらしく、出雲系の神々が祀られる以前はここで水神が崇められていたと思われます。

大宮公園

境内は周囲を『埼玉県大宮公園』という大きな公園に囲まれています。そのため、境内と一体化して、公園自体が氷川神社の一部のように感じられます。

アラハバキ神と出雲の神

客人神アラハバキと、主祭神である出雲の神について、ちょっとだけ掘り下げてみます。

アラハバキとは

アラハバキというのは、縄文時代に東北地方から関東地方にかけての広い範囲で信仰されていた神様です。縄文時代の土偶はアラハバキを象ったものだとういう説がありますが、定かではありません。日本神話には登場しない、謎の神様です。

客人神とは

客人神というのは、見て字のごとく、そこで祀られてるわけではないけれども、客人的な扱いをされている神様です。主祭神ではないけれども、粗末には扱ってませんよ的なニュアンスです。

このようなケースは大抵の場合、もともとその地域で崇拝されていた神様です。もうちょっと踏み込んで表現すると、征服された民族や、服従を強いられた氏族が信仰していた神様です。

勝者側の神様によって、敗者側の神様が上書きされたり、邪神扱いされたりするのは古今東西においてよくある話ですが、それに比べたら良い待遇と言えるのではないでしょうか。

荒川=ヤマタノオロチ?

もしかするとこの地域も、もともとアラハバキを信仰する民族の土地だったものが、後からきた出雲系民族が荒川の治水工事などで力をつけて支配層になっていったのかもしれません。

そう考えれば、スサノオがヤマタノオロチ(八岐大蛇)を退治する有名な出雲神話は、案外、この地域が発祥である可能性もあり得るのではないでしょうか。スサノオは出雲民族、ヤマタノオロチは荒川の水害を暗示しているように思えます。

御朱印

巫女さんの直筆です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA