物部神社

物部神社

物部神社 / もののべじんじゃ
Mononobe-jinja Shrine
鶴と亀が出会う武士もののふの里

物部神社の予備知識

物部神社は石見国一宮です。その名の通り、物部一族の祖神を祀っています。太陽を背負った鶴『ひおい鶴』が神社のシンボルです。

物部神社の所在地

島根県大田市川合町川合1545
1545 Kawai, Kawai-chō, Ōda city, Shimane Pref.

物部神社の祭神

主祭神
ウマシマヂ(宇摩志麻遅命)
Umashimaji-no-mikoto

ウマシマヂ(宇摩志麻遅命)は物部もののべ氏の祖神です。ニギハヤヒ(邇芸速日命)の息子とされています。

物部一族といえば、物部守屋もののべのもりや(?-587) が有名です(ていうか、普通はそれしか浮かばない)。聖徳太子の時代における神道派の有力政治家兼軍人で、仏教派の蘇我馬子そがのうまこ(551-626)と対立した人ですね。

ついでに日ユ同祖論がらみのネタを一つ紹介します。物部守屋の名前は旧約聖書の地名『モリヤ』(מוריה)が由来なのだそうです。

物部神社を主観的に格付け

由緒

★★★★☆
継体天皇八年(514?)

上記創建年は社伝によるもので、ざっくり古墳時代です。

ウマシマヂ(宇摩志麻遅命)は父親のニギハヤヒ(邇芸速日命)と共に、初代天皇である神武天皇じんむてんのうの畿内平定に協力しました。そして各地を平定した後、この地で没したとされています。

その後、第26代継体天皇けいたいてんのうの時代になり、ウマシマヂの功績を讃えるため、この地に神社が創建されたとされています。

ニギハヤヒはもともと出雲系の神もしくは豪族でした。ところが天孫系に寝返り、神武天皇の一族と血縁関係を結びました。なので、天孫系と出雲系、双方にゆかりが深い神様だと言えるでしょう。

社格

★★★☆☆
式内小社石見国一宮旧国幣小社別表神社

知名度

★★★☆☆

アクセス

★★★☆☆
  • 大田市中心部から車で15分程度(駐車場あり)

スケール

★★★☆☆

観光

★★☆☆☆

パワー

★★★★☆
恋愛成就金運

物部神社の神紋

物部神社の神紋は赤い太陽を背負った鶴、つまり『ひおい鶴』です。ウマシマヂ(宇摩志麻遅命)が鶴に乗って石見に降臨したという言い伝えに因みます。

鶴と太陽と組み合わせはどことなく伊勢神宮を連想させます。

物部神社の周辺地域

石見いわみ地方は東西に長い島根県の西半分を占めます。大田おおだ市はその東部、限りなく出雲いずも地方寄りに位置します。出雲大社からも、決して遠くはありません。

三瓶山

三瓶山さんべさん(1,126m)は物部神社から10km程度東に位置する活火山です。山の周りの一周できる『三瓶山第一高原道路』をドライブするのがオススメです。

石見銀山

ユネスコ世界文化遺産の石見銀山いわみぎんざんは物部神社から西へ10km程度の場所にあります。

石見銀山、三瓶山、JR大田市駅の3点を結ぶ三角形の、ちょうど重心あたりに物部神社が鎮座しています。

物部神社境内

表参道

一宮神社としては小規模な部類です。鳥居のすぐ前の拝殿が見えます。人もそれほど多くありません。

狛鶴

狛犬の奥に一対の狛鶴があります。もちろん、『ひおい鶴』を象ったものでしょう。

夜なき椨

参道から拝殿に向かって、境内の左の隅のほうに『夜なきたぶ』と呼ばれるたぶのきがあります。夜泣きする子供をここに寝かせると泣き止むという言い伝えがあります。

この場所に大聖歓喜天だいしょうかんぎてんが祀られており、子宝や子供の健康のご利益があるとされています。歓喜天とはインド神話の神であるガネーシャ(गणेश)のことです

神域

禊石

拝殿の右手にあります。神事の際にここで穢れを払い落とすそうです。

拝殿

注連縄の向きは出雲大社とは異なり、いわゆる普通の巻き方です。

本殿

本殿の建造様式は『春日造り』です。屋根の三角形の真ん中(伝われw)に亀の彫刻が彫られているのがお分かりでしょうか? 子供の背丈ほどの大きさがあります。

亀は水を呼ぶという言い伝えから、火災予防の意味を込めて彫られたのだそうです。

しかし、先ほどの狛鶴も然り、敢えて亀を象ったのは何か他にも意図がありそうに思ってしまいます。鶴は天孫系、亀は出雲系の象徴なので、両者の融合を意図しているのではないでしょうか。

後神社

二本の杉に守られるように鎮座しているのが摂社の後神社です。ウマシマヂの妃であるシナガヒメを祀っています。

社名
後神社
祭神シナガヒメ(師長姫命)

須賀見神社・乙見神社

後神社の左手前の小さな社が末社の須賀見神社・乙見神社です。一つの社に両神社を合祀しています。祭神はいずれもウマシマヂの3代目子孫で、ミツミノスクネが兄、ミツミノスクネが弟です。第6代孝安天皇こうあんてんのうの時代(実年代不詳)に活躍したとされています。

社名
須賀見神社
祭神
ムツミノスクネ(六見宿禰命)
社名
乙見神社
祭神
ミツミノスクネ(三見宿禰命)

その他末社

拝殿や本殿の周辺には天孫系や出雲系の神々を祀る多くの末社があります。それ以外にも、柿本人麻呂を祀る柿本神社や菅原道真を祀る菅原神社があります。

勝石

拝殿の左脇にあります。ウマシマヂが降臨した際に腰掛けたと伝えられる岩です。ここから少し離れた場所にあったものが昭和時代の道路工事に伴い、背後の桜とともにこの場所へ遷されました。

御神墓

ウマシマヂの墓とされる円墳です。本殿の背後にあります。

物部神社の御朱印

『ひおい鶴』のスタンプが印象的です。シンプルですが、個人的に好きな御朱印ベスト10にランクインしています。

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