與止日女神社

與止日女神社

與止日女神社 / よどひめじんじゃ
Yodohime Shrine
賢しい女神による治水のシンボル

與止日女神社の予備知識

與止日女神社は二社存在する肥前国一宮の一社です。佐賀市の嘉瀬川畔に鎮座し、その名の通り水神を主祭神としています。

與止日女神社の所在地

佐賀市大和町川上1-1
1-1, Kawakami, Yamato-chō, Saga city, Saga Pref.

與止日女神社の呼称

地元では「河上神社」と呼ぶこともあるそうです。また、漢字表記は「淀姫」の場合もあるようです。いずれにせよ、水の神様を祀る神社なので違和感無いですね。

與止日女神社の祭神

主祭神
ヨドヒメ(與止日女命)
Yodohime-no-mikoto

この辺りで多く祀られている水の神様です。海神の娘であるトヨタマヒメ(豊玉姫命)と同一神という説もあれば、神功皇后の妹という説もあります。

與止日女神社を独断で格付け

由緒

★★★★★
欽明天皇二十五年(6世紀)

上記の創建年は『肥前国風土記』の記載内容なので比較的、信憑性があるほうではないでしょうか。

社格

★★☆☆☆
式内小社肥前国一宮旧県社

一宮神社の中ではちょっと低めかもしれません。

知名度

★★☆☆☆

県外の人は読めないでしょう。

アクセス

★★★★☆
  • 西九州自動車道『佐賀大和』IC→車で5分弱(駐車場あり)
  • JR佐賀駅北口→昭和バス『古湯線』乗車20分→『川上橋』バス停下車すぐ

高速道路のICから近いのが有難いです。バスも佐賀駅から1時間に1本くらいは出ていますし乗車時間も長くありません。

スケール

★★☆☆☆

観光

★★☆☆☆

隣の神通蜜寺にも参拝すれば評価が変わるかもしれません。

パワー

★★★☆☆
安産家内安全交通健康

與止日女神社の周辺地域

嘉瀬川

元の名は佐嘉川

嘉瀬川かせがわ背振せふり山地に端を発し、佐賀市を経由して有明海に注ぐ一級河川です。江戸時代の改修以前は佐嘉さが川という名前だったようです。

賢しい女神の川

『肥前国風土記』によれば、「佐嘉川上流の荒ぶる神(要するに川の氾濫)が多くの人々を殺めていた」とあります。そして、「土蜘蛛つちぐも(当時の不服従民族に対する蔑称)の女性2人による占いで、下田の土で人と馬を作って(埴輪のことだろうか?)祀ったところ荒ぶる神が鎮まった」とあります。この功績により、女性2人は「さかしい(=賢い)女性」という意味で「さかしめ」と呼ばれ崇められたのだそうです。

おそらく、ヨドヒメはこの女性2人がモチーフだと個人的に思います。トヨタマヒメだとか神功皇后の妹だとかは後世に習合したものではないでしょうか?

ちなみに、佐賀という地名(近代までは「佐嘉」の表記が多かった)は「さかしめ」が由来だという説があるようです。「さかしい女神が治水した川」から「佐嘉さか川」になった、とか何かでしょうね。あと、川の名前が転じて地名になることも珍しくありません。

遡る川

ただ、川の名前の由来に関しては、有明海の干満差が激しいことから川の逆流が起こりやすく、海の魚がさかのぼることから「佐嘉さか川」になったという説もあるようです。

河上山神通密寺実相院

神通密寺じんつうみつじは與止日女神社の西門を出てすぐの場所にある大きな寺院です。名前からして、神仏習合の時代に與止日女神社と一体だったことは想像に難くありません。

後でわかったのですが、かなりの有名寺院だそうで…せっかくなら拝観しておけばよかったと後悔。また天気が良い日に再訪したいです。

與止日女神社境内

参道

駐車場に二ノ鳥居があり、そこから参道を通って神域へと向かいます。なお、一ノ鳥居は少し離れた境外にあります。いちおう、地図にプロットしておきました。

三ノ鳥居

神域の手前にある三ノ鳥居は慶長十三年(1608)に造営されたもので、市の重要文化財に指定されています。肥前鳥居と呼ばれ、慶長年間に肥前国で流行った様式です。特徴に関しては他のサイトで詳しく解説されていますので、ここでは割愛させてください。

神域

本殿・中殿・拝殿

社殿は本殿と中殿と拝殿が連接しています。たしか、千栗八幡宮もこの様式だったかと記憶しています。

西門

西門は県の重要文化財であり、その先に神通蜜寺があります。

落雷大楠

西門の近くにかつて巨大な楠があり、鍋島勝茂なべしまかつしげ(1580-1657)がこれを守るために石垣を築いたと伝えられています。しかし、江戸時代後期(19世紀)の落雷によって現在の姿になりました。

嘉瀬川

境内は嘉瀬川の畔にある為、のんびりと川を眺めることができます。水面が美しいです。

與止日女神社の御朱印

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