京都オーバーツーリズム報道に物申す

京都オーバーツーリズム報道に物申す

昨今において「京都では外国人観光客が多すぎて観光公害が発生している」といった主旨の報道やコンテンツが散見されます。その真偽について、率直な意見を述べます。

オーバーツーリズム報道に物申す

報道の概要

報道やコンテンツの内容でありがちなのが、だいたい以下のような内容です。

最近の京都はどこもかしこも外国人観光客が多すぎて風情がありません。マナーの悪い外国人が多く、地元の人は迷惑しています。なので日本人の間では修学旅行生を中心に「京都離れ」が加速しています。

京都近郊に在住している私の感覚で言わせてもらうと「半分本当、半分嘘」です。

どこもかしこも?

どこもかしこも外国人だらけで混雑しているかというと、そんなことはありません。

  • 京都駅
  • 金閣寺
  • 清水寺
  • 伏見稲荷大社
  • 嵯峨嵐山界隈
  • 錦小路通

このあたりに集中しすぎていて、それ以外の地域はというと、そこまででもありません。少し穴場を探せば、ゆっくりとくつろげるような場所は山ほどあります。

金閣寺や清水寺に関してはインバウンドブーム以前より京都観光の定番なので、まあ仕方ないといえば仕方ないです。

問題は伏見稲荷です。ここは昔から有名神社ではありましたが、観光地としてメジャーになったのはここ四半世紀のことです。インターネットの普及に伴い、千本鳥居がクールな光景として世界中に拡散され、数多くの観光客が押し寄せるようになったのです。

あと、伏見稲荷の周辺地域は入り組んだ狭い路地が多く、観光客数に見合うだけのキャパが足りず、一般の車が通行し辛くなっています。もちろん、それなりに対策は施されてきたとは思いますが、道路や駅の拡張だとか踏切撤去だとかいう話になると、四半世紀やそこらではどうにもなりません。

なので、伏見稲荷大社に限っていえば、日本人にとって近寄りがたい場所になってしまったことは否めません。ただ、ここは24時間参拝可能なので、早朝などであれば落ち着いて参拝できます。

風情がない?

外国人だらけで外国語しか聞こえてこないから風情が無いという意見。そもそも、京都に何を求めていますか?

実はインバウンドブーム以前から、風情が無くてがっかりした的な感想を述べる人はいました。そういう人たちは決まって、ステレオタイプな京都像を求めすぎています。地元民は全員和服を着ていて、建造物は全て木造建築で、料理は全て和食で、行き交う車は全て人力車…みたいな。

もちろん、そんなわけない(^_^;)

結局のところ、京都に対して「街全体が時代劇のテーマパーク」みたいな期待をしてはいけないということです。外国人が多いか日本人が多いかは関係ありません。

マナー悪い?

報道を真に受けると、外国人観光客全員がマナー悪いように誤解してしまいます。もちろん、そんなことはありません。地元民だろうと観光客だろうと、マナーの悪い人は一定比率で存在します

ただ、外国人の場合は文化の違いから、悪気なく非常識と映る行為に及んでしまうケースはあるかもしれません。でも、それはお互い様です。日本人だって、外国へ旅行したときに悪気なく顰蹙を買ってしまった経験がある人もいるはずです。そういうときは、やんわりと教えてあげれば良いことです。逆の立場だったら、いきなり頭ごなしに怒られたら不快な気分になるでしょう?

動物虐待だとか列車妨害だとかは論外だけど!

地元民は迷惑している?

これは私自身が京都市内に住んでいるわけではないので、あまり主観で語ってはいけない部分です。たしかに、メジャーな観光地の近くに住んでいる人たちからすれば、騒がしくなったとか、車で通行しにくくなったなどの弊害があるかもしれません。

しかしその一方で、ホテルや飲食店など、観光客相手に商売している地元民も大勢います。コロナ禍当初のように全く観光客が来なくなったら、それはそれで困るのです。しかも、外国人観光客は国内の修学旅行生よりも客単価が高い傾向があります。なので、地元民にとっては国内の修学旅行生よりも外国人観光客のほうが「おいしい客」なのです。

日本人の京都離れ?

たしかに、メジャーな観光地は外国人観光客でごった返していますし、京都市内の宿泊施設の予約も取り辛くなっていることは確かです。なので、日本人が団体旅行の選択肢として京都を選びにくくなっていることは容易に想像できます。

ただ、それはあくまで旅行の話です。報道やコンテンツの中には、京都市の人口減少や財政難をオーバーツーリズムに結びつけるものがあります。完全に無関係とまでは言いませんが、根本的な原因はそこではなく、東京一極集中と日本全体の出生率減少にあると思います。

なぜネガティブ報道が多いか

哀しき人間の本能

なぜこのようなネガティブな報道やコンテンツが目につくか。理由はいたってシンプルです。物事の正の側面よりも、負の側面を強調したほうが視聴率や再生数を稼ぎやすいからです

実際には、観光客が増えることで喜んでいる人もいれば、困っている人もいます。しかし、第三者にとっては、前者よりも後者を見る方が心地よいのです。インタビューを受けている地元民だって、本当は儲かりすぎてウハウハなのに、あえてネガティブな面だけを話している(もしくはそこだけ切り取られている)可能性もあります。

結論

定番スポットを避けよう

結論として、オーバーツーリズム報道の半分は嘘です。少なくとも、日本人が京都を観光し辛いなんてことは全然ありません。上に挙げたような定番スポットを避ければ良いだけのことです。定番スポットだって、早起きすれば難なく見て廻れます。

日本人観光客へのお勧めスポット

京都って金閣寺と清水寺以外に何か見るところある?みたいなことを言う人はそもそも京都観光に向いていません。かくいう私も、そこまで京都に詳しいわけではないですけどね。けれども、個人的にお勧めしたい場所は幾つかあります。

鴨川デルタ&下鴨神社

京阪電鉄の終着駅がある場所です。いろんな人種や鳥獣が平和的に共存している一角です(笑) 川べりを散歩しているだけでも、京都へ来たことを実感できるお勧めスポットです。すぐ近くにある下鴨神社は世界遺産に登録されています。

京都御苑(京都御所)

かつての皇居ですね。御苑は一般市民に開放されており、普通に散歩できます。ベンチに寝転がって読書するなりお昼寝している方々も見受けられます。

北山通&上賀茂神社

北山駅周辺は高級住宅地に近く、洒落たお店が多い上に落ち着いたエリアです。ここから賀茂川沿いを歩いて、世界遺産である上賀茂神社へ行くことができます。

また、北山駅から1駅下った北大路駅にはバスターミナルがあり、京都市内の各方面への始発バスが出ています。京都駅始発のバスに比べて、混雑率や渋滞遭遇率が低いので快適です。

三十三間堂

ここの千手観音像は圧巻で、歴史や仏教に興味のない人も一見の価値ありです。京都国立博物館に隣接しており、京都駅からも近距離に位置しています。

南禅寺界隈

鎌倉時代の禅寺と明治時代の水路閣が絶妙にコラボしたエリアです。観光客の数はそこまで多くはありません。琵琶湖疏水に沿って、平安神宮まで歩いてみてほしいです。

宇治

宇治もけっこう外国人観光客多いですけどね。それでも、京都市内に比べれば可愛いもんです。平等院以外にも有名な寺社仏閣がありますし、宇治川の急流は見応えがあります。

日本海側

京都府の日本海側、天橋立や舞鶴のあたりです。この辺りが京都だと認識していない人間も多そうですけどね。「海の京都」のキャッチフレーズが功を奏してか、国内外から多くの観光客が訪れるようになりました。それでも、京都市内に比べれば全く混雑してないです。

難点は京都市内から遠いことに加え、真冬に積雪で交通網が遮断される可能性があることですね。それでも、宿泊日数を1泊増やして来るだけの価値は十分にあります。何より、海の綺麗さが全然違いますからね。

やはり京都の課題は分散化だと思う!

そのあたりは別途、子サイトのほうに記事をUPできればと思います。

京都オーバーツーリズム報道に物申す」への3件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA