山辺の道#1

山辺の道#1

2025年4月6日、関西地方の平野部で桜がほぼ満開を迎えました。数日前の天気予報に反して昼間は好天に恵まれたため、箸墓古墳から大神神社まで歩きました。

山辺の道

概要

山辺の道やまのべのみち』は大和盆地東部を南北に結ぶウォーキングトレイルです。奈良市内の春日大社かすがたいしゃを起点に、天理市の石上神宮を経由し、桜井市の大神神社までを結びます。

今回のルート

今回は纏向まきむく遺跡をスタート地点とし、箸墓はしはか古墳を見てから桧原ひばら神社を経由し、大神おおみわ神社を目指します。

タイトル詐欺で恐縮ですが(^_^;) 上記のうち『山辺の道』に含まれるのは桧原神社〜大神神社のみです。とはいえ、この区間は『山辺の道』のハイライトと呼んでも支障ない区間です! 特に桜の季節に歩くには最高の場所です。

纏向遺跡

JR万葉まほろば線の巻向まきむく駅を降り立つと、すぐ目の前に纏向まきむく遺跡が見えます。遺跡自体、特に「見るべきもの」はありません(^_^;) が、その先にある箸墓古墳が威光を放っています。

纏向遺跡からは様々な出土品が見つかっており、邪馬台国畿内説を後押しする要素の一つとなっています。ただ、スケールや構造など『魏志倭人伝』の記述とは矛盾する点があるため、疑問視する声もあります。

箸墓古墳

箸墓はしはか古墳は第7代孝霊天皇の皇女であるヤマトトトビモモソヒメ(倭迹迹日百襲姫)の墓とされています。卑弥呼(2-3世紀頃)と同一人物とする説がありますが、定かではありません。ただ、ヤマト王権黎明期における有力者の墓であることは間違いないでしょう。

桧原神社

箸墓古墳から桧原神社までは、昔の街並みや田園地帯を横切りながら坂道を登っていきます。『山辺の道』には含まれませんが、サイクリングコースに含まれています。

進行方向にピラミッド型の山が見えてきますが、これが大神神社の御神体である三輪山みわやまです。また、後方を振り返ると箸墓古墳を眼下に望むことができます。

桧原神社は鳥居の無い神社です。いちおう、大神神社の境外摂社という位置付けです。詳細はサブサイトにある大神神社の記事をご覧ください。

山辺の道

桧原神社の裏門を出て、大神神社までの約1.5kmの道は『山辺の道』南ルートのそのまた最南端です。『山辺の道』のハイライトと呼べる区間です。

本当に長閑な道です。絶妙なタイミングで響き渡る鶯の鳴き声にも癒されます。ただ、プチ登山と呼んでも良い、急な傾斜がところどころにあります。履きなれない靴で来てしまったので、癒しよりも足の痛さが上回ってしまいました(ー_ー;)

大美和の杜

さて、必ず紹介しておきたかったのが、大神神社境内に隣接する展望公園『大美和の杜』です。ご覧ください。桜の木々花々の合間から、三輪山や大和三山を眺望することができます。先ほどの言葉と矛盾するようですが、美しすぎるのであまり有名になりすぎないでほしいという気持ちもあります(笑)

最後の写真、平野部の地平線にある小さな3つの山が大和三山です。左から順に、天香久山あめのかぐやま畝傍山うねびやま耳成山みみなしやまです。大神神社の大鳥居も見えるのですが、木に隠れてしまいましたね。

大神神社

大美和の杜は大神神社の境内摂社である久延彦神社や狭井神社に隣接しています。大神神社は大和国一宮やまとのくにいちのみや、つまり奈良県で最も格が高い神社です。知名度的には奈良公園にある春日大社のほうが有名ですが、大神神社のほうが格は上なのです。詳しくはサブサイトにある大神神社の記事をご覧ください(くどいって)

小ネタ

大和三山を結んだ三角形の重心に藤原京の宮殿跡があり、さらにその延長線上に大神神社と三輪山があります。まあ、多少ズレているのでレイラインと呼ぶには無理がありそうです。ただ、当時の人たちは宮殿や神社の建設場所を決めるにあたり、山を目印にしていただろうと思います。

総括

天気が良い日の散策には絶好の場所だということが伝わりましたでしょうか? 古代史の知識や上述のような小ネタを知っていればより楽しめると思います。

京都や奈良市内あたりはオーバーツーリズム云々言われていますが、この辺りは未だ認知度が低いのか、外国人観光客には出会わなかったです。日本在住の外国人らしき方とは何人かすれ違いましたけどね。

ともかく、人が多すぎることもなく、のんびりできます。桜が散ってからでも十分に楽しめる場所ですので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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